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自分が見たことや 感じたことを信じて 記事を届けたい

運動部近藤 健吾

2019年入社/社会学部卒
社歴
2019年4月〜19年10月/編集局運動部
2019年11月~23年1月/福岡支社編集部
2023年2月~/編集局運動部
近藤 健吾:プロフィール写真

先輩インタビュー

Q 入社の決め手は何でしたか?

大学でメディア論を勉強していたことで、自然とメディアの世界に興味を持ちました。記者やディレクターなど報道現場で働く人の話を聞く機会が多く、中には時事通信のOBの方も。自由度の高い仕事ということに加え、記者をしていなければ会えない人がいて、行けない場所もたくさんある。特に通信社は幅広いフィールドで活躍できることが魅力だと思っていました。新聞社に内定していた身近な先輩がいたことも、記者を目指す上で大きな後押しになりました。

Q 現在の主な仕事は何ですか?

五輪競技を中心に、国内のスポーツを幅広く取材しています。主な担当は、前回の東京五輪から採用されたスケートボード。緻密なトリック(技)をかみ砕いて記事にするのは簡単ではありません。10歳代の選手も多く、言葉を引き出すのは一苦労。どの現場でもそうですが、特に年の近い選手の多いスケートボードでは、競技以外の会話も大切にしています。
夏のパリ五輪でもメダルが期待される種目とあって、注目度は右肩上がり。コーチや指導者への取材も重ねるうちに深みのある原稿が書けるようになり、記事が契約紙の紙面に大きく掲載されると、日々の努力が報われたと感じます。
誰もが映像でスポーツを見ることのできる時代です。数分のハイライトで事足りる人もいるかもしれません。しかし、アスリートが日々どんなことを考え、どれほどの努力を重ねてきたか―。活字を通じてしか知り得ないストーリーも存在します。試合前後の表情の変化、会場を包む熱気、そして選手の声。それらを伝えるのが我々の仕事です。
いつの日か味気ない原稿を送ったときに、上司に言われました。「現場で見たお前にしか書けないことを書けばいい」。同じ試合を見ていても、どの場面を切り取るかは十人十色だと思います。自分が見たことや感じたことを信じて、記事を届けていきたいです。

Q 印象深かった仕事は何ですか?

2021年の東京パラリンピックです。酷暑のお台場でトライアスロンを取材したときのこと。国際オリンピック委員会(IOC)総会でプレゼンテーションをするなど東京大会招致の立役者になった義足のアスリート、谷真海(たに・まみ)選手を大会前から追っていました。
いざ本番は、序盤から出遅れる苦しい展開。最下位が確定した後も、谷選手は懸命にゴールに向かって、一瞬たりとも笑顔を絶やさずに走っていました。他国のメディアが続々と記者席から離れる中、私は最後の直線を駆ける谷選手の姿をスタンドからじっと見ていて、心を動かされました。
順位やタイム、メダルの色ではない。難病や東日本大震災、いくつもの苦難を乗り越えてきた谷選手が「アスリート」として歩んできた道のりが詰まっている、と。「メダル以上の宝物を得た」。その言葉を見出しに取った記事は多くの契約紙の紙面に掲載されました。数多くの取材現場を経験してきましたが、今も真っ先に頭に浮かびます。

Q おおまかな一日のスケジュールを教えてください

近藤 健吾さんの一日

*スケートボードの世界選手権の決勝の日

10:00
移動中は新聞の電子版、他社のネット記事をチェック。同じシーンを見ていても、異なる視点で書いてあると、とても勉強になる。
11:00
競技会場に到着。選手の公式練習をスタンドからチェック。練習中にけがをすることもある競技なので、細かな部分に目を配る。
13:00
取材の準備。その日に記事になりそうな選手の最近の大会での成績やコメントを、あらかじめノートに書き出しておく。
15:00
決勝の競技をスタンドの記者席から見る。順位が確定したら、すぐに会社にいるデスク(原稿をチェックする上司)に連絡。この日は日本の選手が優勝したので、速報を打った。
18:00
表彰式が終わり、選手の囲み取材へ。大会の数が多くない競技の場合は貴重な取材機会なので、その日の記事には盛り込まない内容も聞き出す。終わり次第、すぐに記事を執筆する。
19:30
デスクから原稿の直しが返ってきたら、事実関係を中心に数字など間違いがないかを入念に確認。表現が適切かどうかなど、細かい部分も含めて電話でやりとり。
20:00
記事が配信される。訂正を防ぐために、誤字脱字がないかなど後校閲し、帰宅。

Q 休日の過ごし方を教えてください

最近は料理をするのが好きで、本格的な中華料理に挑戦しています。部内の先輩からの勧めもあって、先日念願の中華鍋を購入しました。早速チャーハンを作ってみましたが、道具ひとつでこんなにも味が変わるものかと驚きました。また、大学時代からの趣味である銭湯やサウナ巡りも続けています。広い湯船につかっているときや100度近いサウナ室で汗をかいているときは、リフレッシュできる幸せな時間です。